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魂の骨格 S.H.Figuarts ウルトラマンニュージェネレーションヒーローズ集結記念 後藤正行デザイナーインタビュー

「S.H.Figuarts ウルトラマンギンガ」の発売により、ニュージェネレーションヒーローズがS.H.Figuartsでコンプリート!
これを祝して、ウルトラヒーローのデザインを手がける後藤正行氏にインタビューを敢行。商品の企画担当であるBANDAI SPIRITS光岡氏も加わり、デザイン&フィギュアの両面からその秘密に迫ります。
それでは、ニュージェネレーションヒーローズのデザイン世界に向けてウルトライブ!

――S.H.Figuartsを実際に手に取られてみていかがですか?

後藤:劇中のポーズが綺麗に決まるのがいいですよね。可動部分が破綻してないというか。商品写真でもよく出来てるなあとは思うんですけど、実際手に取って触ってみるとより凄さが分かると思うので、まずは一度手に取ってみてほしいですね。あ、ビクトリーはEXレッドキングナックルを付けた状態でもポージングが決まるんですね。

――仕事場のデスクの上にフィギュアを飾っていたりは?

後藤:ベリアルがいます(笑)。(S.H.Figuarts ウルトラマンベリアルを手にとって)こいつもよく出来てますよね。フィギュアのシルエット、造形というのは何かを参考に?

光岡:実際の映像を何度も見て研究するのはもちろんですけど、ニュージェネレーションヒーローの場合はLSSさん(円谷プロダクションの造形部)に御協力頂いていまして、マスクや全身のスキャンデータを頂戴して、フィギュアに落とし込んでいます。

後藤:では、そのままの形?

光岡:基本的にはそうなります。とはいえ、150㎜のサイズになるとメリハリなど細かい部分の印象が変わってしまうため、造形の段階で調整します。

後藤:チェックは品田(冬樹)さんのところ(LSS)で?

光岡:そうです。

後藤:厳しいでしょ?(笑)

光岡:細かくチェックしていただいております。実際に造形されている方々のご指摘で初めて分かることも多いので、ありがたく思っています。

――具体的には?

光岡:最近ですと、ロッソとブルの目の形状の違いとかです。

後藤:ああ、ロッソは丸めで、ブルは四角っぽい形をしてますから。

光岡:そうなんです。150㎜のサイズにしたときに、目のサイズは10㎜にも満たないサイズになってしまうので、その中でどこまで印象を近づけるかを何度もやり取りをさせていただきました。

――かなり細かい部分まで再現されてますよね。

後藤:(S.H.Figuartsを手に取りながら)ゼロ ビヨンドの背面、肩甲骨にある小さな出っ張りなんかも再現してるんですね。すごいなあ。こんなところまで。あと、ジャグラス ジャグラーの勾玉の意匠、ここも再現してあるんですね。ジャグラス ジャグラーの体のいろんなところに小さなパーツがありますけど、ここは最初ネジ穴のような形状で描いていたんです。ところが、田口清隆監督から「こいつはメカじゃないので変えてほしい」という風に言われまして。それで勾玉のような雰囲気のデザインに変更しました。非常に細かいところですが、こういう所も監督のこだわりがあって面白いなあと。フィギュアもよく再現できましたね(笑)。

光岡:ありがとうございます(笑)。これもLSSさんの皆様の全面協力のお陰です。


――それでは、「S.H.Figuarts ウルトラマンギンガ」が6月3日より予約受付開始、10月発売ということで、ギンガのお話を。こちらのデザインについては?

後藤:光るウルトラマン、というのがオーダーでした。デザインとしては、マスクやスーツにクリスタルのようなパーツを付けて発光させようと考えていました。顔はオーソドックスなデザインなんですけど、発光パーツを入れているのでそれでオリジナリティは出せるだろうと。あと、ウルトラヒーローってボディにラインが入っていますが、これまでは比較的滑らかな、柔らかい線をしていたんですね。ギンガの場合、そのラインがカクカクしている感じになっています。僕の手癖だとは思うんですけど、ギンガに関してはそれがものすごく出ていると思います。

――背中の背びれみたいなパーツも面白い形をしてますよね。

後藤:歴代のウルトラヒーローって、この背びれみたいな部分がつるんとしていてそれほどデザインされている印象がないんですね。で、せっかく付いているものなのでちょっと特徴づけたいなと思って、少しだけ尖らせました。僕のデザインしたウルトラヒーローの背びれ部分は何かしら少し変わった形状をしているのが特徴で。ギンガ以前にデザインしたベリアルとゼロもそうなっています。

光岡:S.H.Figuartsでもその辺りの形状は精密に再現しています。

――デザイン画を拝見すると、実際のスーツとクリスタルの配置に違いが見られますが、これは?

後藤:スーツを使ってアクションする関係で、パーツを入れる部位は限られてくるんです。その辺りを造形部と相談しながら進めたので、デザイン画とは少し変わっていますね。

――調整というのは?

後藤:デザイン段階では背面の肩甲骨部分や太ももにもクリスタルを付けていたんですけど、そこに硬いパーツを付けるのは難しいということでした。肩甲骨付近は寝転がったり回転する時に危険だと。大腿部は伸び縮みが激しい部位なのでパーツの装着が難しいようで。

――デザイナーと造形チームの間でそういった調整はよくあることなのでしょうか?

後藤:あります。例えば、このラインをもう少し上げたほうが足が長く見えるよね、とか。ギンガの前にはゼロをデザインしましたが、実際のスーツと見比べてみると脇腹の辺りのラインが変わっています。こういった細かな調整は頻繁にやっていて。

――造形部とのやりとりはスムーズにいくものなんでしょうか?

後藤:すんなりいく時はすんなりいきます。僕が描いているのはあくまで「デザイン画」であって、完成形ではないわけです。そこから造形を起こして、スーツを作って、撮影して映像になって初めてキャラクターとして成り立つわけなので、こちらは最初の方向性を示しているに過ぎないんです。最終的にかっこいいものになってくれればこちらとしても本望なので。とはいえ、一度煮詰まると長くはなってしまいますけど(苦笑)。

――例えば?

後藤:ウルトラマングルーブのデザインの時、ルーブコウリン(武器)のイメージをどこかに入れてほしいというオーダーがあって。それで、背中に入れようと思ったんですけど、造形部からは「背中はものすごく伸縮する部位なのでそういうパーツを付けるのは(アクションの邪魔になるので)ハードルが高い」と言われて。でも、その前にデザインしたウルトラマンルーブでも同じようなコンセプトでルーブコウリンの意匠を胸に付けていたので、かぶるのはイヤだから、と色々交渉して実現したものです。ところがこのキャラクター、結局はフルCGで描かれることになって。これまでのやりとりはなんだったんだと(笑)。

――せめぎ合いが大変ですね(笑)。

後藤:大変は大変なんですけど、面白いのは、自分が思っていたものとは方向性が違う造形が上がってきても、それがかっこいいなって思うことがあったりすることで。デザイン画とは違うけどそういう解釈にしたのか!と感心することもあります。そういう時は文句は言わないし、口は出さない(笑)。でも、デザイン画の意図を汲んでないし造形もかっこ悪い、と思った時にはやはり意見をするので作業が伸びてしまうんです。ただこれは僕の自己満足ということではなくて、やっぱりウルトラマンとして世の中に出すわけですから責任が伴うと言いますか。こだわってしかるべき部分だと思っていて。ウルトラマンって何十年も残るものだと思うんですよ。ですから、(世に出すからには)最善を尽くしたいという思いがあって。初代のウルトラマンから50年以上の歴史を持っていますし、新しいウルトラマンもその中の一人に入るわけですからクオリティは保っておかないと、という思いがあるので。

――ウルトラマンのデザインを手がけられてほぼ10年になりますが、その間に何か変化のようなものはありましたか?

後藤:デザイン画は自分の手で一から描いていくことが多いんですね。基本的にどのデザイナーさんもそうだとは思うんですけど。それが、ウルトラマンエックスのデザインの時は、スーツアクターさんの写真を撮って、そこに上から(なぞるような感じで)デザイン画を描いてくれないか、というオーダーがあって。というのも、デザイン画とスーツって違うじゃないですか。造形だったり、中に人が入るわけですから、違ってくるのは当然なんですけど。

――スーツの肉厚もあるし、その中にアクターさんが入るので、デザイン画と比べるとどうしても膨らんで見える。

後藤:そうです。その違いの差みたいなものを縮めたいという声が上のほうから出て。それで、オーダー通りに作業をしていたんですけど……。その時に思ったのが、むしろ「逆」だなと。

――と言うと?

後藤:まずデザイン画の段階で理想の姿を提示して、次に造形する段階でその理想に近付けていったほうが最終的にはいいものになるのではないかと。そういうことに気付いたわけです。デザインする側としても、(実在する人間のシルエットを下敷きにすることで)逆にイメージを縛られてしまう感じがして、むしろ良くないなと。わかりやすく言うと、ファッションデザイナーのオートクチュールの人のデザイン画って見たことあると思うんですけど、それこそ人間の等身じゃないような絵じゃないですか。そのデザイン画をベースに、パタンナーの人とか縫製の人とかいろんな人の手を経て実際の洋服になって、モデルの人が着た時に初めて完成する。(実写である)ウルトラマンのデザインってそれと似たところがあると思っていて。それで、エックスの次のデザインからその手法はやめたんです。


――お気に入りのキャラクターは?

後藤:思い入れがあるのはまず、ゼロとベリアルですね。やはり最初にデザインしたウルトラマンなので。ここからスタートしていますから。
ほかにもビクトリーも好きなんですよ。こちらに話が来た時点で名前は「ビクトリー」で決まっていて。変身アイテムにも「ビクトリー!」という音声が入っていると(笑)。だったら“V”の文字をモチーフにデザインしようと思って。頭、胸、腕、脚、ボディライン全てに“V”の文字を入れています。デザイン的な特徴は「黒」。歴代のウルトラヒーローのデザインで黒を全面に押し出したキャラクターというのは初めてで、そういう意味でも思い出深いです。

――ビクトリーといえば、頭部が非常に特徴的で。

後藤:これは造形が本当に大変だったんです。デザイン画だとまとまった感じに見えますけど、実際に造形する段になって非常に苦労したんですね。粘土原型が出来たよ、ということで見に行ったところ 、頭部の造形がデザインとは違いすぎていて。頭部の先端のところが戦艦大和の先っちょみたいな感じにドカーンと飛び出ていて。品田さんと2人で顔を見合わせて「これじゃないよね」と(苦笑)。立体物にした際の顔のバランスの取り方がすごく難しいキャラクターでしたが、それだけに完成した姿は気に入っています。


――実際のファンと触れ合える現場としてウルトラマンのイベントがあると思うのですが、そういう現場に行かれることは?

後藤:それほどありません。ウルフェス(ウルトラマンフェスティバルの略。毎年都内で行われている恒例の夏イベント)はなるべく行くようにはしています。でも、なんか照れ臭いんですよね。ヒーローショーとかやってると、小さい子がウルトラマンを応援してるじゃないですか、「がんばれー」って。そういう光景を見てると泣きそうになってしまうんです。胸がいっぱいになってしまう(笑)。なので、あまり行けないという。

――(笑)。最後になりますが、ウルトラマンのデザイナーとしてファンの方にメッセージをお願いします。

後藤:ウルトラマンって基本的なデザインラインがあるじゃないですか。二本柱じゃないですけど、銀と赤のツートンカラーの初代ウルトラマン系、赤がベースのウルトラセブン系の2ライン。これ以外に、なんとかもう1本別の柱を作れないものかなあと。個人的な野望ですけど、そういうものが出来たらいいなと。そうじゃなくてもウルトラマンに見えるデザインラインっていうのはあると思うんですね。それが造形技術の向上だったり、CGを使うことで可能になってくるのではないかと思っていて。常に何か新しいものが生み出せるよう頑張っているので、これからもウルトラマンシリーズの応援よろしくお願いします。

(2019年5月8日/円谷プロダクションにて)


【プロフィール】

 


後藤正行(ごとう・まさゆき)

 

後藤正行(ごとう・まさゆき)
円谷プロダクション所属のデザイナー。アニメーター出身で、OVA『機神兵団』(1992年)のキャラクターデザインと作画監督、テレビアニメ『レッドバロン』(1994年)ではメカデザインを担当。ビルドアップ時代はキャラクターデザイン、絵コンテ、CMの演出等、幅広く活動。エプソンのプリンタのCMで優香が演じた「どキレイダー」も氏のデザイン。


ブランド別商品一覧 「可動によるキャラクター表現の追求」をテーマに、「造形」「可動」「彩色」とあら ゆるフィギュアの技術を凝縮した手の平サイズのスタンダードフィギュアシリーズです。

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