魂の骨格 清水栄一×下口智裕×澗淵隆文 『ULTRAMAN』アニメ公開直前&S.H.Figuarts商品化記念座談会【前編】

累計150万部を突破した人気コミック『ULTRAMAN』がフルCGアニメーションとして4月1日よりNetflixにて世界同時配信決定!そして、「S.H.Figuarts ULTRAMAN -the Animation-」、「S.H.Figuarts ULTRAMAN SUIT ver7 -the Animation-」がそれぞれ8月・9月に発売予定、4月8日より予約解禁となる。このアニメ公開&S.H.Figuarts化を記念して、コミック版の作者である清水栄一氏×下口智裕氏、そして円谷プロダクションLSSの造形師にして立体監修も担当している澗淵隆文氏の座談会が実現。前編となる今回は企画担当・BANDAI SPIRITS光岡も加わり、「S.H.Figuarts ULTRAMAN -the Animation-」を見てもらいました!

■S.H.Figuarts ULTRAMAN -the Animation-

――「S.H.Figuarts ULTRAMAN -the Animation-」の実物はいかがですか?

下口:良い物に仕上がっていますよね。

清水:下口は今日、初めて実物を見たんだよね?

下口:そう、そう!それこそ清水は昨年のイベント「TAMASHII NATION 2018」で先に(実物を)見てるじゃないですか? 僕がイベントに行けなかったのもあって、清水から連絡来ましたから。「かっけーぞ!」って(笑)。

清水:本当に、あの時からずーっと下口に言っていたと思います。「S.H.Figuarts ULTRAMAN -the Animation-、いいぞー」って(笑)。

下口:本当にかっこいいですよ。

――コミック版とアニメ版の両方がフィギュア化されるのは作者としていかがですか?

清水:それはもう純粋に嬉しいです。ただ、一方で(両方リリースされるのは)「どうなんだろう?」と。コミック版の評判が良かったと聞いていたので、あらためてアニメ版をユーザーさんが手にとってくれるのか不安もあって。

下口:違いがあるのか、ユーザーさん的にも気になりますよね。

清水:でも、アニメ版は元々モデリングデータがあるだけに、コミックとのプロポーションの違いがはっきりしているんですよ。アニメ版は“人が入ってる感”がありますからね。並べると違いが一目瞭然。

下口:確かに。まったく違うフォルムに見える!

清水:そういう意味でも、アニメ版に際して、デザインの変更は必然だったのかもしれません。差別化する上でやはり2014年に発売されたコミック版の「ULTRA-ACT × S.H.Figuarts ULTRAMAN」を前提に、可動フィギュアとしてどこに可動が欲しいか、実際そこに可動を入れられるのか、などを考えながらアニメ版をデザインしました。今回の「S.H.Figuarts ULTRAMAN –the Animation-」では見事に僕が考えていた通りの可動を入れてもらえました。

澗淵:コミック版(「ULTRA-ACT × S.H.Figuarts」)と比べると、ウエストと胸の可動域がだいぶ向上しましたよね。

下口:これはすごいです。

澗淵:この部分まで可動域にしてくれている立体は今までないんですよ。今回のS.H.Figuartsだけですから。

清水:今回、スペシウムのポージング再現時、前回みたいに胸部を差し換えるんですか?

光岡:引き出し関節を追加しているので、差し替えなしで再現できるようにしました。

下口:ええー!

清水:ちょっと引き出してみよう。

下口:ああっ、本当だ! すっごー!

光岡:内部のジョイント構造もバージョンアップしました。内部の可動により、ウルトラマン特有の“猫背を思わせるファイティングポージング”もできるようになっています。背中のアウトライン自体、猫背感が出るようにパーツを分けています。

澗淵:当初は「ULTRA-ACT × S.H.Figuarts ULTRAMAN」からの流用パーツもけっこうあったんですけど、開発が進むに従って、その比率が段々減ってきて(笑)。最終的には「ほぼ“一”から開発してる?」くらいになりましたよね。こちらはそこまでしてくれとは言ってなかったんですけど(笑)。むしろBANDAI SPIRITSさん、それこそ担当の光岡さんの力の入れようというか。

光岡:正直、当初は半分ほどは流用する想定であったのですが、最終的に7~8割は新規造形ですね。でも、結果的にすごく良いものに仕上がりました。もちろん前回のコミック版「ULTRA-ACT × S.H.Figuarts ULTRAMAN」も良い商品でしたが、今回は可動域がレベルアップしています。

下口:「ULTRA-ACT × S.H.Figuarts ULTRAMAN」は作画時、特にポーズを描く時はすごく助かりました(笑)。

清水:それこそ漫画の中であれば、いくらでも二次元の見せ方次第で動かせるんですけど、立体化されると、実際はどこが干渉するか、それこそ太ももの上がり具合なども見えてくるんですよ。その時、一番気になった箇所が腹部の可動だったんです。人の入っている軟質スーツであれば、それこそ問題なく可動できますが、フィギュアだとそうはいかないですから。「ならいっそ分割しちゃえ!」と思って腹部のディテールを変更したんです。それを反映していただいて。本当に、このS.H.Figuartsのウエスト可動も多分に考慮してアニメ版は設定しましたから(笑)。

――澗淵さんは監修を担当されたとのことですが、こだわった箇所はいかがでしょうか?

澗淵:色ですね。新しくなるのであれば、ぜひこだわりたいと思っていたところです。前回は全体が均一の質感でしたが、今回は清水さんの設定に合わせて硬質部分とラバー素材のカラー、質感の“差”を意識しました。

下口:けっこう色のやりとりもしたんですか?

澗淵:ええと、最初に見せていただいた時点ですでに良い感じだったんですよ。ただ、何でもやってくれるので、「じゃあ、これもやってもらえるかな?」はありました(笑)。特に光岡さんにはシルバーの色味を頑張っていただいて。

光岡:シルバーの色味は、映像で見る質感に近づけるべく色味は何度も原型師さんとやりとりして調整しました。

澗淵:シルバーと一口に言っても、艶、マットで分けてもらったんですよ。アーマーの部分とスーツの質感で差別化しているんです。どうぞ手に取ってみてください。

下口:なるほど!

澗淵:アニメで動いているとわかりづらいですが、よく見るとシルバーや赤の色身を(コミック版から)変更したので、商品でも反映してもらいたくて。シルバーも艶具合を変えていて、スーツは艶を薄く、アーマー部分は艶感を出し色のメリハリを見せています。

――今回、立体監修は澗淵さんにお任せだったのでしょうか?

清水:もちろん僕らも監修はさせていただいてますが、今回に限らず、最初に澗淵さんの方で監修していただくのが通例にはなっています。そのあとに澗淵さんの監修を反映させたものが僕たちに来て、「他にありますか?」と聞いてくれるのですが、これがまあ、ほぼないんですよ。澗淵さんの時点で的確な修正指定が入ってるんです。

下口:これまでのULTRAMAN SUIT全て、最初に澗淵さんから立体としての正解を出していただいているので、もはや我々よりスーツを理解しているのは間違いないです(笑)。

澗淵:ありがとうございます。

― 座談会の全貌は月刊HobbyJAPAN 4月号(3月25日発売)にて掲載!―
アニメ、コミック、スーツデザインと『ULTRAMAN』を語りつくしてもらいました!!

≫ 座談会【後編】はこちら!


【プロフィール】
清水栄一(しみず・えいいち)

 

清水栄一(しみず・えいいち)
漫画家。1978年生まれ、大阪府出身
原作・脚本・メカデザインを担当
代表作は『鉄のラインバレル』、『ゲッターロボ DEVOLUTION ~宇宙最後の3分間~』など。『ULTRAMAN』最新刊<第13巻>好評発売中!


下口智裕(しもぐち・ともひろ)

 

下口智裕(しもぐち・ともひろ)
漫画家。1978年生まれ、石川県出身
キャラクターデザイン・メイン作画を主に担当。
代表作は『鉄のラインバレル』、『ゲッターロボ DEVOLUTION ~宇宙最後の3分間~』など。『ULTRAMAN』最新刊<第13巻>好評発売中!


澗淵隆文(たにぶち・たかふみ)

 

澗淵隆文(たにぶち・たかふみ)
1964年生まれ。円谷プロの製作本部LSS(ライト・スカルプチャー・スタジオ) プロジェクトマネージャー。特殊美術・造形キャラクターを手掛けている老舗レインボー造型企画出身。守護獣ティラノサウルス、ドラゴンシーザー、グリッドマンなど名立たるキャラクターの造形に携わっている。


ブランド別商品一覧 「可動によるキャラクター表現の追求」をテーマに、「造形」「可動」「彩色」とあら ゆるフィギュアの技術を凝縮した手の平サイズのスタンダードフィギュアシリーズです。

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